Sさん

第一事業部音楽グループ 統括

2015年 臨時社員として入社 クラシック音楽ホールで勤務

2019年 正社員転換 第事業部音楽グループ

    紀尾井ホールを中心に都内・神奈川県内の音楽ホールを担当

撮影協力:紀尾井ホール

音大を卒業後、音楽との新しい関わり方を見つけた

――Sさんはどうして正社員転換を決意されたんですか?

臨時社員時代、演奏活動をこのまま続けていくか辞めるかをちょうど迷っていた時期に、副社長から現場統括をやってみないかと打診をいただきました。まずはこの話をお引き受けし、数か月後に独り立ちして統括業務を積み重ねていくうちに、レセプショニストという仕事にこれまで以上のやりがいを感じるようになりました。正社員でなかった私にこのような話をいただけることもありがたいと思いましたし、自分を必要としてくださるならこの会社で働きつづけたい、もっと仕事の幅を広げたいと思い正社員へ転換しました。 

 

――社員になって何か意識が変わったことはありますか?

転換したばかりのときは境目があいまいだったんですが、社員になったからこそのクライアントとの関わりや、スタッフの育成という目線でメンバー(※ヴォートルで働く方々の総称)のことを深く考える時間が増えましたね。徐々に目線が変わっていった感じです。

――短期的な視点ではなく、長期的な視点になってきた?

そうですね。目の前の公演のことだけではなく、会社全体だったり、そのホールでの長いスパンでのサービスを見据えるようになりましたね。 

――今は紀尾井ホール担当と言いながら、他のホールにも行かれてますね。

毎日あちらこちら行っていますね。色々なところに行き始めたときは、毎回各ホールの構造やルールを思い出すところから始まって、臨機応変に動かないと、と苦労もありました。

各ホールのメンバーとも広く関わるようになったというのも、大きな変化です。

多くのメンバーと関わるようになって、相手にも自分を知ってほしいし、自分も相手をわかりたいという気持ちから、よりコミュニケーションを大事にするようになりました。現場ごとに、メンバーが求める指示の仕方や統括の在り方も違うんだなと実感しました。


――大変そうですが、楽しさもありますか。

そうですね。色々な現場を知ることができてよかったです。サービスの仕方について視野が広がったと思います。どのホールにいっても、そのホールのルール、メンバーのニーズに寄り添った統括でいられるといいなと思っています。 

――レセプショニストのお仕事のやりがいは?

お客様から「ありがとう、素晴らしい演奏会だった、来てよかった」といったお言葉を笑顔で仰っていただいたときです。とても嬉しいですし、今日も無事に終えることができてよかったと安心します。


終演後って、お客様から感動があふれ出ているんです。その気持ちを共有させてもらえるのが嬉しいです。

 

――特に印象的だった「ありがとう」は?

公演の前半でお客様同士のトラブルがあり、私が仲介に入ったことがありました。その日の終演後、該当のお客様から、あなたのおかげで後半はじっくり楽しめた、ありがとうと言っていただけました。

すごく難しい対応だったんですけれども、間違っていなかったことに安堵しました。 


――これはこの仕事の難しさでもありますね。

「〇〇の理由で席を変えてほしい」や「隣の人が〇〇なので注意してほしい」といったご要望は多くありますが、毎回公演も違えば当然お客様も違います。お互いのお客様が気持ちよくご鑑賞できるよう、そのお客様にとって最善の方法を考え対応していくことが必要です。 

お客様の気持ちに寄り添ったサービスを心掛けること。特にご体調だったり観劇マナーのようなデリケートな問題をお客様にお話するときの言葉選びには気を使いますね。


――お客様に気まずい思いをさせたくないですもんね。

そうです。公演を楽しんでもらうことが大前提ですから。

私は日ごろから、言葉について調べることが多いですね。漢字や敬語はもちろん、言葉の言い換え方を特に。相手に合わせた表現ができるように、語彙力を鍛えたいです。 

――今後の目標はありますか?

メンバーや新入社員への指導をもっと的確に、より実りあるものにできるよう工夫していきたいです。そしてこの現場で働きつづけたいと思っていただけるような環境づくりを心がけていきたいです。


――勤務前研修(※ヴォートルに入社する全ての方が受講する研修)の講師も担当されてますね。

実はもともと教えるのが苦手なんです。


――あれ?もともと楽器を教えられてましたよね?

そうですね、その経験からいっても、苦手意識はあって(笑)でも嫌いではないんです。相手を見ながら、その人に合わせたステップアップの仕方を考えるのが好きです。


――それ、指導が得意な人の考え方だと思います(笑)じゃあ身近なメンバーが成長すると嬉しいですか?

嬉しい!できるポジションが増えたり、新しいことにチャレンジされている様子が見られるとすごい嬉しいですよ。私が伝えてきたことが誰かの力になっているというのもやりがいですね。 


――ヴォートルにはSさんのように音大卒の社員・メンバーも多数活躍されています。現在音大に通われている方に一言!

私は音大生だったからこそ、この仕事で活かせた知識も多くあります。音大生だからといって音楽家だけが将来の道ではありません。音楽に携わる仕事の経験として、ぜひ視野を広げてみませんか?きっとご自身の役に立つこと、居場所も見えてくるはずです。素敵な音楽に触れながら、演奏会を支える一員としていられる喜びも味わうことができると思います。

 

――入社希望の方に伝えたいことはありますか?

この会社には心優しく丁寧に教えてくださる方が沢山いらっしゃいます。

初めてお客様をお迎えする時は誰しも緊張しますし失敗もありますが、その経験を積み重ねていくことが大きな学びとなり、充実感が得られると思います。お客様から「ありがとう」と言っていただける喜びを一緒に味わいましょう!


――最後に、Sさんが考える、「ヴォートル」とは?

チームワークを大切にし、お互いをフォローしあえる会社です。自分で考え行動することも大事にしてくださいますし、悩んだ時にはすぐ相談にのってくださる方がいることも心強いですよ。