Fさん

第一事業部美術グループ マネージャー

2013年 入社 国立劇場担当

2018年 世田谷美術館責任者

撮影協力:世田谷美術館

入社の決め手は「幸せに働ける」予感

――Fさんはキャリア採用ですが前職は?

20代はフリーランスで舞台芸術の裏方仕事をしていましたが、フリーランスで居続けることに難しさを感じ、30歳を機に転職しました。転職に際しても舞台芸術の近くで生きていたく思い、裏方から転じて表方の職に就きました。

ヴォートルに決めた理由は、ホームページの社長メッセージや最終面接でのやり取りの中で、ヴォートルは社員を大切にする会社であり「幸せ」な働き方ができると感じたからです。また、企業として利益の追求をするだけでなく、社会と芸術エンターテイメント界に貢献しながら「豊か」に働けるとも感じました。 

――社長の言葉で特に覚えていることはありますか?

当時のHPにも書いてあった、「働いている人が幸せであることが大事です。」というメッセージですね。会社は利益や売り上げを追求するものだと思っていたので、びっくりしました。日々心を込めて仕事をすることが社員自身の成長(喜び)に繋がり、結果、会社の成長にも繋がるという考え方ですね。


――学び続ける、成長し続けるということが喜びだと感じる社員が集まっていますよね。

そうですね。みんなが一人前じゃないことを前提に、いま組織の中でできること、身に付けていくべきことをそれぞれが考えていく姿勢があると思います。


――Fさんは入社後国立劇場に配属され、その後会社としては初めての美術館業務の立ち上げに抜擢されました。これまでのキャリアステップを聞かせてください。

入社後は国立劇場でヴォートルとしての基本業務を習得しました。担当社員として、クライアントとの打合せやメンバー(※ヴォートルで働く方々の総称)の育成等。もともと想定していた業務でした。その後世田谷美術館の立ち上げチームに選ばれ、責任者として立つことになりました。

――美術館と劇場の仕事、違いは感じましたか?

今になって思えば、同じなんですけど、立ち上げた当初は全然違う、と思っていました。「看視員」という仕事は、お客様のためではなく作品のためにいる存在、という固定観念があったので、レセ(※レセプショニスト、劇場での接客業務)とは全然違うと感じていました。でもやっている中で、クライアントの考え方とヴォートルの考え方が近しいなと感じるようになってきたんですね。それがわかってからは、レセとの違いはあまり考えなくなりました。レセほどメイクや装いがビシっとしているわけではないのですが、お客様のためにいるという役割は共通しているところですね。 

 業務のことでいえば、美術館はポジションがローテーション。みんなが一律同じ仕事をするので、協力体制が強いですね。現場のメンバーの助け合いはどの現場よりも強いと思っています。

 

――社員として現場の空気作りは大切ですよね。Fさんのコツはありますか?

実は、国立劇場時代は結構厳しくやってたんですよ。仕事だからちゃんとやらなきゃだめよ!ってメンバーに対して一定の厳しさをもって接していました。でも世田谷美術館を始めるにあたって、1から人を採用してやっていこうというときに、厳しさだけではやっていけないと感じて。社員という立場からただ指示をおろすというよりは、メンバー自身に考えさせ、「これをやりたい」と思って仕事についてもらうことが大切だと気付きました。だって、自分がやりたいと思ってすることは、クオリティの高い出来になりますから。


――子育てと一緒ですね。やめなさい!とかあれしなさい!とか言ってしまいがちですけど、それだと次に進まないんですよね。

そうそう!壁にぶつかったときに自分で考えられなくなりますよね。そっか、子育てと仕事と互いにフィードバックできることもあるんですねぇ。


――この異動によって、Fさんの意識も大きく変わったんですね。

メンバーを信頼することができるようになったんですよね。


――それはメンバーがどうというより、Fさん自身に余裕や自信だったり知識がつかないとできないことですね。

そうですね。余裕と言ったら、本当にこの職場環境(※世田谷美術館は広大な砧公園内にあります)、余裕もでますよね(笑)

――ヴォートルの仕事の大変だな…と思うところは?

お客様への接客は毎回正解がなく、グレーゾーンの幅が広いので、その都度の最適解を見つけること。その最適解がクライアントとヴォートルの方針に合っていて、かつ現場にいるメンバーにも理解できるものでなければならないこと。日々思考を止めず、考え続けています。


――わかります…。時にはその選択で失敗することもありますよね。

実は仕事で大きな失敗をしたことがあるのですが…そのときにクライアントにいただいた言葉が忘れられないんです。「そんなに大変な思いをしていたなら相談してください。一緒に解決策を考えましょう」と言っていただきました。反省の気持ちと共に、どうにか信頼を取り戻そうと奮起しました。

この経験は、私が部下、メンバーに接するときの指針になっています


人間ですから、ミスをしないことが大切なのではなく、きちんと報告をし、どう改善するかを考え、実践、検証することで、信頼関係を築いていきたいと考えています。

――美術グループマネージャーという立場ですが、いま帝国劇場の立ち上げにも尽力されていますね。

はい。世田谷美術館では、国立劇場で学んだヴォートルの業務を応用させ、より本質的なサービス業務を組み立ててきました。

いま帝国劇場の立ち上げに際し、今度は他社の「ヴォートルではない」やり方を学んでいるところです。

ヴォートルが大切にしていることと、他社が大切にしていること、否定するのではなくて、違いや理由を感じて、柔軟に取り入れていきたい。それがヴォートルのサービスを成長させると信じています。


――臨時社員(メンバー)希望者に向けて、一言お願いします。

好きなもののそばで、自分がいたい空間で働くことの楽しさを感じてほしいです!

――いるからわかりますけど、これすごい大事ですよね。

そういう場所で働く人って自分に誇りをもてるんです。そして、そのイキイキした気持ちは絶対に外に表出します。そういうエネルギーのあるスタッフが集まってくれると、その場所(美術館や劇場)が輝くと思います。そしてそのエネルギーはお客様に絶対伝わりますから。ぜひ一緒に芸術の場を盛り上げてほしいです。 

――では正社員希望者に向けてはいかがですか?

大変なところにグレーゾーンが多いって言いましたけど、それって成長の幅が広いということだと思うんですね。

自分の好きなことを仕事にしつつ、思考力が広がり、成長ができる。

うちの会社は社員にそれを求めてると思います。自分の成長のために働ける方、仲間になってください。